母の最後の贈り物・・・インフォームドコンセント

2015年05月10日
母の最後の贈り物・・・インフォームドコンセント

“インフォームドコンセント” 一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
医師と患者との関係性の中で、医師は、治療法や薬の内容について患者に十分な説明を施し、患者の同意を得た上で実施するという考えのようです。
※以下は私の体験を記したものです。

母が亡くなるまでの間、主治医とチームドクターは、何度も何度も、母の状況を我々家族に伝えくれました。
最初のインフォームドコンセントは、父の都合が悪く、私が代表して医師の話しを聞くことになりました。
本来なら、母も一緒に聞くのがベストだったのですが、当時の母は、ベッドから離れることも困難な状況。
なにより聴力がほとんど無かったことと、当時は4人部屋だったため、その場で説明することは難しかったのです。

医師は、医療の知識がまったく無い私にも理解が出来るように、丁寧に説明をしてくれました。
でも、でも、医師が最も伝えたかったことは、病状の詳細ではなく、「延命治療か、緩和治療か」本人の意思、家族の思いを決めて欲しいと言うことだったのです。
その時、自分の心臓の鼓動が医師たちに聞こえてしまうのではないかと思うほど、激しく高鳴っていたと思います。
医師の言葉は想定外だったのです。そんなに悪いの???
一瞬、受け止めることが出来ませんでした。
でも、私はこの事実を家族に、母に伝えなければいけない。さすがにその夜は眠れませんでした。

医師から聞いた説明を、3枚の紙にまとめました。
■ 今日は2014年12月29日(月)です。
耳が聞こえにくいと思うので、書面にしてきました。
■ 28日(日)病棟の主治医○○先生から、お母さんの状態の説明をうけました。
■ 外来の主治医△△先生も夜勤明けで参加してくれましたよ。看護師さん□□さんもご一緒でした。
■ 2つのお話しを聞きました。
●「1つ目」→ 現在の状態について ~~~~~~
●「2つ目」→ 今後の可能性について ~~~~~~
■ 先生から「お母さんのお気持ちが一番大事なので、お母さんのお気持ちを聞いてみましょう」と言われています。

翌日、父には事前に説明し、母に伝える前に医師に原稿を読んでいただき、聞き間違いが無いかどうかの確認をしてもらいました。

母は何度も何度も、何度も何度も読み返し、「・・・お母さん、延命はしない」と。
本当は母だって、自分がそんなに悪いなんて想像もしていないはず、取り乱したっておかしくないのに・・・
結局、亡くなるまで母は一度も取り乱すことはありませんでした。
(後で知ったことですが、父がしっかりと受け止めてくれていたようです)

その後もインフォームドコンセントは何度か行われました。
しかし、母の意志を尊重し、延命治療は行わず、緩和ケアチームと看護師チームが最期まで寄り添ってくれました。

最後に、私の個人的な考えではありますが1つ記しておきます。

■ 元気な時に「どう生きるか」を考える!
元気な時には、「なるようになる!」「今は関係ない!」と思うでしょう。
でも、「どう生きるか」を考えることはとても、とても大事だと思っています。
「どう生きるか」を考えると、自ずと必要なことが見えてきます。
必要なことが見えるということは、必要ではないことも見えてくるのです。

お母さん、ありがとう。

インフォームドコンセント